第48号 2005.8.25
今回のテーマ (特集)胃炎・ぶどう

胃が痛い・胃が重いなどの症状は、私たちの身近でよく聞かれると思います。暴飲暴食、不規則な生活、精神的なストレスなど、現代社会には胃に負担をかけることが多く存在します。
胃炎の種類
特徴
症状
治療
急性胃炎
暴飲暴食、薬、ストレス、アルコールや香辛料などの刺激が強い飲食物の過剰摂取などによって起こる外因性胃炎や、感冒やインフルエンザなどの細菌、ウイルスなどによって起こる内因性胃炎に分類されます。 比較的短期間で治って、慢性化しないのが特徴です。 外因性−急激な上腹部痛、悪心、嘔吐、食欲不振、ひどい時は吐血・下血 内因性−胃の痛み、むかつき、食欲不振 症状に合わせた薬物治療行い、胃にやさしい食事をとります。 原因がはっきりしているときはその原因を取り除きます。
慢性胃炎
胃の運動機能障害、過度の喫煙や飲酒が続いたとき、加齢による胃の老化、ピロリ菌の生息などが原因と考えられます。 常に胃の不快感がある、胃もたれや食後の腹痛、ときには空腹時痛、食欲不振、胸焼け、吐き気、げっぷ、なかには自覚症状の無い場合もありますが、急性胃炎ほど強い症状ではありません。 病院で検査を行い、炎症を起こしている胃粘膜の状態に応じて治療を行います。 また、自覚症状がないからといって薬の服用を中止すると再発することがあります。 医師の指示通り、きちんと薬の服用を続けましょう。

☆薬の種類
粘膜修復・保護薬 荒れた粘膜を修復・保護する ムッテルミン、ムコスタ、セルベックスなど
制酸薬 胃酸を中和する マグミット、酸化マグネシウムなど
健胃薬 胃の働きを高める つくしAM散など
消化薬 消化を助ける エクセラーゼなど
鎮痛鎮痙薬 胃痛を抑える ストロカイン、ブスコパンなど
酸分泌抑制薬 胃酸の分泌を抑える <H2ブロッカー>
ガスター、ラニタックなど
胃酸の分泌を強く抑える <プロトンポンプ阻害薬>
タケプロン、オメプラールなど

 


  まだまだ暑い日が続きますが、いよいよ秋がやってきます。秋と言えば、「実りの秋」、「食欲の秋」、「収穫の秋」ですね!! 一年中出回っているぶどうですが、収穫最盛期は9月でこれからが旬の果物です。  ぶどうには癌や動脈硬化、老化を予防する働きや悪玉コレステロールの酸化を抑制する働きを持つポリフェノールが豊富に含まれています。甘み成分は「ブドウ糖」、「果糖」で、これらの単糖類は体内ですぐにエネルギーとなるため、疲労回復や病後の体力回復に有効であると言われています。
ぶどうを乾燥して作る干しぶどうには、成分が凝縮されており、糖質の濃度は生果の5倍にもなります。また、鉄分が豊富に含まれているため貧血の予防に効果的です。皮ごと食べることで食物繊維もとれ、便秘の解消にも役立ちます。
ぶどうをまるごと発酵させてつくる赤ワインには、種も含まれており、その成分には「プロアントシアニジン」というポリフェノールが含まれています。このプロアントシアニジンには強力な抗酸化作用があるため動脈硬化などの原因となる活性酸素を除去する作用があります。また、果皮に含まれるポリフェノールの一種である「リスベラトロール」には、発癌抑制作用が期待されています。