第21号 2001.1.25
今回のテーマ (特集)糖尿病

 〜糖尿病とは?〜
生活習慣病の一つである糖尿病。
知らず知らずの内にかかっていることが多いため、予防を必要とする病気の一つです。
糖尿病ってどんな病気?
糖尿病とは、膵臓で作られるインスリンというホルモンの不足により血液中のブドウ糖が適切に処理できなくなり 高血糖が続く病気です。この状態がずっと続くと、全身の血管が障害を受けたり神経線維が侵されて全身に様々な症状 (合併症)が起こってきます。しかし糖尿病の初期にはほとんど自覚症状がなく、気づいた時にはかなり症状が進んで いることが多いため、定期的な検診による早期発見が大切となってきます。

糖尿病の種類
インスリン依存型(T型) インスリン非依存型(U型)
年齢 若年型 中高年
(日本人の糖尿病の大部分)
原因 免疫、ウイルスなど
(膵臓の細胞が何らかの原因で破壊されインスリンが分泌されなくなることによる)
食生活、運動不足、ストレス、遺伝、肥満など
(インスリンの分泌量が減ったり、血糖を下げる作用が弱くなることによる)
発症 急激 ゆっくり


糖尿病の検査
1.血液検査
一般に血液検査により血糖値を測定し、その値と糖尿病症状の有無、グリコヘモグロビン(HbA1c)値、 糖尿病性網膜症の有無などにより総合的に判断されます。また血糖値は食前食後によっても変化します。
採血したときが食前か、食後かということは大切なことです。
HbA1c値 過去1〜3ヶ月の血糖の状態を表しています。
4.3〜5.8%
血糖値 下記の空腹時血糖値が基準とされています。
基準値:110mg/dl未満
境界型:110mg/dl以上126mg/dl未満
糖尿病:126mg/dl以上

2.尿検査
体内に過剰になった糖は尿中に排泄されます。その糖分を検査するのが尿検査です。専用の試験紙を尿に浸して色の変化を 観察し、間接的に判断します。
元々、ブドウ糖は体内に必要な物質であり、健康な人の場合尿に糖が現れることはありません。しかし糖尿病の人は血液中に 使われずに存在するブドウ糖が多くなってその過剰な分が尿糖として排泄されてきます。
市販の試験紙で誰でも手軽に測ることのできる一番身近な検査です。しかし様々な原因により試験紙では見つけられないとき があります。普段の生活習慣を考えて思い当たることのある人は近くの病院など専門家に相談しましょう。

3.ブドウ糖負荷試験
尿検査や血液検査によって糖尿病の疑いがある人はブドウ糖負荷試験を行います。
空腹時に75gのブドウ糖を飲んでもらい、その後時間を追って採血し、血糖値の変動から糖尿病かどうかを確定診断します。

合併症を防ごう!
糖尿病で一番怖いのは合併症が起こってくることです。そのため、合併症を防ぐことは糖尿病治療の大きな目的となります。
様々な合併症の内、特に網膜症、腎症、神経障害を三大合併症といいます。
このうち最も早く症状として出てくるのが神経症で、膝や足などの下肢にしびれや痛みが起こってきます。
これらの合併症を防ぐためには、生活習慣を改善し血糖をコントロールする事が重要となってきます。

気を付けましょう!
最近、食生活の変化に伴って(欧米型)、若年者にもU型糖尿病の発症が増加しつつあります。ファーストフードや スナック菓子、ペットボトル飲料などの過剰摂取が原因と考えられています。塾などで夜遅く帰宅する子供たちにも その傾向が認められますので、十分注意しましょう!!
  


糖尿とうまくつき合うために
糖尿病を防いだり、糖尿病とうまくつき合っていくためには適度な運動と食生活の改善、規則正しい生活が一番です。