第14号 1999.10.25
今回のテーマ (特集)白内障、肝臓の検査、なす

 白内障〜目の成人病〜
人の目は、よくカメラにたとえられます。カメラのレンズに相当する働きをするのが水晶体です。 この水晶体の成分の一つである蛋白質が、老化や紫外線などにより水に溶ける性質を失い、水晶体は濁ってきます。 この状態を白内障といいます。

◆白内障の種類
種類 原因
先天性 遺伝など
老年性 加齢*
代謝性 糖尿病・低カルシウム血症など
併発性 他の眼病(緑内障など)
薬物中毒性 ステロイドなど
外傷性 外傷(交通事故など)
放射性 放射線、X線など
その他 アトピーなど
*白内障の90%以上は、老化によって起こると言われています。

白内障の症状

1.かすんで見える。
2.まぶしくなる。
3.暗くなると見えにくくなる。
4.一時的に近くが見えやすくなる。
5.二重、三重に見える。

◆白内障の治療
【薬物治療】
症状が軽く、手術を受ける必要のない時に行われます。
このとき使われる薬は、白内障自体を治すものではなく、水晶体の濁りを遅らせる働きをします。
点眼薬:カタリンK カリーユニなど

【手 術】
日常生活に支障をきたすようになると行われます。方法としては水晶体を摘出し、その後、眼内レンズを挿入するか、 眼鏡またはコンタクトレンズを装用するなどの方法があります。

白内障のほとんどは目の老化が原因ですから、誰にでも起こり得るものですが、適切な治療により視力の回復が望める疾患です。

シリーズ 検査値を読む
その4〜肝臓の検査〜
基準値 GOT(AST) 8〜50IU/L
GPT(ALT) 5〜45IU/L
γ-GTP 0〜50IU/L

GOT、GPTは肝細胞などに含まれている酵素で、何らかの疾患によって細胞が壊れると、血液中に出てくるため数値が 上がります。
γ-GTPは、アルコ−ルや薬が肝臓で処理される時に増えてくる酵素で、アルコ−ルの飲み過ぎや胆汁の流れが悪くなって いる場合に高くなります。
これらの値は肝炎、肝硬変、脂肪肝、アルコ−ル性肝障害などの肝疾患のほか、心筋梗塞などによっても高くなること があります。


秋なすは嫁に食わすな!?
秋は、なすが特においしくなる季節です。
「秋なすは嫁に食わすな」という意地悪な言い回しがありますが、実はなすには体を冷やす作用があり、 また種が少ないため”子宝に恵まれない”ことを心配したあたたかい言い回しとも言えるのです。
なすには栄養価はあまりありませんが、1個(80g)あたり15kcalとカロリーが低いので、カロリー 調整に役立ちます。ただし油をよく吸収するため、焼きなすや煮物にするなど調理法に気をつけて秋の味覚を楽しみましょう。