第8号 1998.10.26
今回のテーマ (特集)骨粗鬆症、総コレステロール、赤ワイン

 丈夫な骨をつくるために
私たちの体を構成する大切な骨。骨はたえず生まれ変わっています。古い骨が壊され(=吸収)、カルシウムを 使って新しい骨がつくられています(=形成)。健康な人では、この吸収と形成のバランスがとれています。
近年話題の骨粗鬆症とは吸収と形成のバランスがくずれ、吸収が形成を上回ってしまった状態を いいます。骨量が減少し、鬆が入ったように骨がスカスカになり、もろくなって、ちょっとしたことで骨折する場合もあります。 特に女性では閉経後に骨量が急激に減少します。骨粗鬆症が女性に多いのはこのためでもあります。
骨量: 骨の総量のことで、カルシウムの貯蔵量を表す目安となります。
また、単位面積あたりの骨量を骨密度といいます。最近では骨密度が簡単に測れますので一度、病院・診療所に問い合わせて みてください。
骨粗鬆症の治療薬には・・・
・オステン錠:骨量減少を抑える
・アスパラCA錠:カルシウム製剤
・ワンアルファ錠:ビタミンD製剤
・ディアルファカプセル:ビタミンD製剤
このほかに、ホルモン製剤のエストリール錠などを用いることがあります。

どうしてビタミンD製剤が処方されるの?
ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収を高め、さらに骨の形成を助けるからです。


日本人に必要なカルシウム量は、大人1日600mgといわれていますが、成長期の子供は骨の成長に見合うだけの、また妊娠中や 授乳期のお母さんは胎児、乳児の発育に必要なカルシウムを摂りましょう。
大人1日:600mg
成長期:900mg
妊娠中:900mg
授乳期:1100mg
骨量は20〜30歳代にピークをむかえます。若い頃からしっかり骨にカルシウムを蓄えて丈夫な骨をつくる、そして、最大になった 骨量をなるべく減らさないことが大切です。そのためには、食事で十分にカルシウムを摂り、カルシウムの吸収促進のために 日光をよく浴びて、運動で骨をしっかり鍛えることを心がけましょう。



シリーズ 検査値を読む
その2〜総コレステロール〜

基準値 成人 135〜220mg/dl

総コレステロールが高いからといってすぐに自覚症状が出るわけではないのですが、放置すれば血管の弾力がなくなり、血管が 狭くなって、つまってしまうことがあります。これが動脈硬化の原因となり、さらに「狭心症」や「心筋梗塞」などの引き金と なります。
総コレステロールが高いことはこれらの疾患の注意信号なのです。そこで、定期的に医師の勧める血液検査を受け、薬は医師の 指示通りにのみましょう。


話題の赤ワイン、そのひみつとは?
赤ワインには、ポリフェノールと呼ばれる成分が多く含まれています。この成分はブドウの皮や種子に含まれており、血液中の コレステロールの酸化を防ぐことにより動脈硬化を予防します。また、新陳代謝を高める働きもあるので、美肌効果もあるといわれています。 最近、赤ワインがちょっとしたブームになっているのはこのためです。ポリフェノールは熱により変化することはないので、 アルコールはちょっと・・・という方は、ぜひ料理などに利用してみてはいかがでしょうか。
いろいろ効果があるといって、たくさん飲めばいいというものではありませんので、くれぐれも飲みすぎにはご注意を・・・。